ひびめも

日々のメモです

顔の認知に関わるネットワーク:相貌認知のlesion network mapping

Looking beyond the face area: lesion network mapping of prosopagnosia.

Cohen, Alexander L., et al. 

Brain 142.12 (2019): 3975-3990.

 

相貌失認ってご存知でしょうか。

目や鼻など顔のパーツは知覚可能であるのに、顔全体を見て個人の識別をすることができないという神経学的症候で、古典的には右側頭葉下面にある紡錘状回顔領域 (FFA: fusiform face area) の障害によって起こるとされています。しかし、脳の機能をネットワークとして見ることが一般的となりつつある今、FFAのみならず他の領域も含んだ「顔認知を司るネットワーク」というものがあることは容易に予想されます。

今回は、この顔認知に関連する脳内ネットワークについての新しめの文献を読みました。

 

背景

顔の認識 (相貌認知) は、その機能に特化した脳領域、特に右半球の紡錘状回顔領域 (FFA: fusiform face area) によって支えられる、高度に発達した能力である。FFAの障害は相貌認知を障害し (相貌失認)、これは特定の脳領域の障害が特定の機能の障害を引き起こすという古典的な例の一つである。しかし、FFAの障害が起きなくても相貌失認が起こることはあり、たとえば先天性相貌失認や自閉スペクトラム症がその例である。これらの例から、相貌認知はFFAを超えたネットワークによって支えられていると考えられており、このネットワークの同定を行おうと多くの研究が行われてきた。これらの研究は、FFAや上側頭溝、後頭葉顔領域 (OFA: occipital face area) などの後頭葉・側頭葉領域群が顔選択的な活動性を示すことを示してきた。また、さらに拡張して、扁桃体、下前頭回、下頭頂溝、楔前部、上丘を含むこともある。しかしながら、これらの領域のうちどの領域が相貌認知に決定的な役割を持つのかは未だわかっていない。

近年、特定の症候を引き起こす脳損傷部位と脳内ネットワークの知識をもとにして、脳内ネットワークに神経学的症候をマップすることが可能となった。この手法はlesion network mappingと呼ばれる。この手法は今まで、脳損傷に伴う幻覚、妄想、運動障害、犯罪性など、多様な症候に対して用いられてきている。今回我々は、相貌失認のlesion network mappingを行い、相貌認知に関わるネットワークと、その中で特に重要な脳領域を同定した。

 

方法

特定の領域の脳損傷から相貌失認を呈した44人の症例をPubMedからピックアップした。44症例の画像から損傷領域をトレースし、これらをシードとして、1000人の健康な成人のresting state fMRIデータと組み合わせることで、損傷領域と機能的結合性を持つ領域を描出した。これらのマップを重ね合わせることで、個々のボクセルと機能的結合性を持つ損傷領域を有する患者数を示したグループマップを作成した。今回の解析にはhead motionの補正にGSR (global regression analysis) を使っているが、この手法はアーチファクトとして負の相関を生み出してしまうことがあるため、結果の解釈にしばしば難渋することで知られている。ただし、今回はGSRを行わない解析も同時に実行することで、得られた負の相関がmethodologyによるアーチファクトでないことを確認した。損傷領域のトレースは2人で分担しつつ手作業で行ったため、内的妥当性の担保のためにデータセットをランダムに2等分して同様にマップ作成を行い、両サブセットを比較した。また、得られたマップを、2つの異なるコントロール研究で得られた相貌失認とは関係のないコントロールマップと比較した。

※上記で負の相関という言葉が出てきているが、rsfMRIにおける負の相関は物理的距離による位相のずれを反映しており、色々と議論はあるらしいが少なくとも本文献では機能的結合性があるものと見なしていると思われる。

c.f.) Chen, Guangyu, et al. "Negative functional connectivity and its dependence on the shortest path length of positive network in the resting-state human brain." Brain connectivity 1.3 (2011): 195-206.

次に、今回得られた44人のマップに対して、42人以上で共通するボクセルを選び出すことで、相貌失認を起こす原因となりうる領域を同定した。さらに、コントロール研究の損傷領域よりも今回の相貌失認研究の損傷領域に有意に強く結合しているボクセルを選出し、そのマップで上記の結果をマスクした。この2つの作業により、相貌失認を来す領域を高感度かつ高特異度で選び出すことができる (conjunction analysis)。また、250mm3以上の体積を持ち、相貌失認を来す44の損傷領域全てと結合するようなボクセルを少なくとも1つ以上含む領域を抽出したところ、1つの正の相関を有する領域が得られ、この領域はまさに右FFAであると考えられた。また、4つの負の相関を持つ領域が得られ、これらは左前頭葉皮質に位置していた。

最後に、今回得られた結果が、潜在的相貌失認の存在を予測するかを検討した。右のFFAと正の相関を持ち、左の前頭葉の関心領域と負の相関を持つボクセルの集合が、相貌失認を引き起こす病変位置を包含する脳ネットワーク (相貌失認ネットワーク) を定義していることになる。後大脳動脈卒で臨床的に明らかな視覚失認がなく、詳細な神経心理学的評価を受けた患者31名の病変部位を抽出した。それぞれの患者に対し、視覚と認知に関する標準的な検査に加えて、特定のカテゴリーの視覚認知機能を評価するために設計された4つの実験パラダイムを組み合わせた2時間の評価バッテリーを行った。配列内の画像検出、視覚記憶のケンブリッジ記憶テスト、新旧識別、およびアレキシアの時間制限付き読み取りテストを用いて、家、顔、サングラス、電話、言葉、花、風景、馬、家、車、銃、道具など、複数の視覚カテゴリーを検査した。これらの実験は、年齢、教育レベル、性別の点で統計的に差のない41人の健常対照者にも実施された。31名の患者それぞれについて、各検査の成績は、対照群の平均と標準偏差に基づいてzスコアに変換された。zスコアが≦2であった場合、成績は異常とみなされた。これにより、潜在的な相貌失認を持つ11人の患者が特定された。潜在的相貌失認の有無にかかわらず、潜在的物体失認の組み合わせも多様であり、特定の視覚カテゴリーに対して純粋な失認を有する患者はほとんどいなかった。注目すべきは、評価前に視覚処理障害を認めていた患者はいなかったことである。潜在性相貌失認を持つ患者と持たない患者について、病変位置と我々の相貌失認ネットワークとの交点を比較するために、2標本のt検定を行った。この結果が病変の大きさに左右されないことを確認するために、病変の体積および相貌失認ネットワークとの重複を独立変数とする相貌失認への二項ロジスティック回帰分析を行った。

 

結果

1. 相貌失認を引き起こす損傷部位は様々だが1つの脳ネットワークに属する

44個の相貌失認症例の中で、損傷領域がただ1つの脳領域に限局していたものは1つも存在しなかった。44症例中29症例は我々が事前に規定した右FFA領域 (a priori right FFA) と交差しており、15症例はa priori right FFAとは独立していた。

44症例それぞれの損傷領域に機能的結合性を持つ脳領域を計算し、その共通部分を抽出した (lesion network overlapと呼ぶ)。Lesion network overlapはa pirori right FFAと交差していた。以降この領域をidentified right FFAと呼ぶ。また、identified right FFA内のcorrelationのピークはa priori right FFA内にあった。また、a priori right FFAと独立した損傷領域を持つ15症例からもlesion network overlapを作成したところ、44症例から作成されたものとほとんど同様の結果になった。

また、再現性を担保するために行った2等分比較に、有意な差異は認められなかった。機能的結合性解析について、負の相関も含めて結果を見直すと、複数の左前頭葉領域が負の相関を持っていた。具体的には、前部前頭前皮質 (APFC: anterior prefrontal cortex)、前部帯状皮質 (ACC: anterior cingulate cortex)、中前頭回 (MFG: middle frontal gyrus)、上前頭回 (SFG: superior frontal gyrus) の4つである。

Split-half replication revealed a consistent pattern of lesion connectivity. A random division of our lesion sample into two independent subsets (A and C) demonstrated high reproducibility for lesion network overlap results. Consistent lesion network mapping regions identified from Subset 1, including the right FFA, the left anterior prefrontal cortex (APFC), the left middle frontal gyrus (MFG), the dorsal anterior cingulate cortex (ACC), and the left superior frontal gyrus (SFG), were also highly correlated with the lesions in Subset 2 (B), and vice versa for regions identified from Subset 2, with lesions from Subset 1 (D). Results are displayed at an overlap threshold of 75% to best illustrate the similarities across the two subsets. In all images, the a priori right FFA region is shown as a blue outline. All correlation distributions are significantly different from zero, P < 0.001. Red lines in box-plots indicate medians while stars indicate means. ROIs = regions of interest.

これらの負の相関を持つ領域は2等分比較試験でも再現性をもって描出されていた。また、a priori right FFAと交差しない損傷領域を持つ15症例から作成したlesion network overlapでも、同様に描出されていた。GSRを除外した解析でも同様に描出が確認できたため、GSRによるアーチファクトでないことも確認された。

 

2. 右FFAと左前頭葉皮質に結合性を持つ領域の損傷は相貌失認を引き起こす

相貌失認症例から作られたlesion network overlapは、コントロール2群と比較して特異的なネットワークを示していた。Conjunction analysisでは、identified right FFA、左APFC・ACC・MFG・SFGが相貌失認を引き起こす高感度・高特異度の領域であることが示された。

また、興味深いことに、これらの4領域は先行研究で示されている前頭頭頂ネットワークと重なりを持っていた。

さらに、right identified FFAと4つの左前頭葉領域と機能的結合性を持つ領域が相貌失認を検出できるか、今回の44症例と135のコントロール症例を用いて検討したところ、2項ロジスティック回帰分析では有意な説明性を示し、分散説明率は51.5%であった。Right identified FFAとの正の結合性および左前頭葉領域との負の結合性は、それぞれ独立した相貌失認の予測因子となった。

上記lesion network mappingの結果では、a priori right FFAのみが相貌失認症例の100%で有意な相関が見られた領域であったが、半数以上を説明する領域として、左FFA、両側OFA、右STSも同定された。これらの領域は、他2つのコントロール研究の症例と比較して、今回の相貌失認症例と有意に関連していた。

Different a priori face-selective regions of interest show different connectivity to lesion locations causing prosopagnosia. Nine regions of interest previously associated with face-selective activity are displayed on transverse brain slices (red regions). The bar height above each region shows the percentage of prosopagnosia lesion locations functionally connected to that region. The right fusiform face area (rFFA) is the only region connected to >95% of acquired prosopagnosia lesions (red line). F-values below each region label reflect the specificity of this connectivity compared to control lesions (post hoc one-way ANOVAs) (Supplementary Fig. 5). Asterisks denote statistical significance of these F-values: +P < 0.05, *P < 0.0001, **P < 1 × 10−25, ***P < 1 × 10−35. The right FFA is the most sensitive and the most specific connection for prosopagnosia lesions. AMG = amygdala; IFG = inferior frontal gyrus; l = left; OFA = occipital face area; r = right; STS = superior temporal sulcus.

 

3. 今回同定されたネットワーク内に存在する脳損傷領域は潜在的相貌失認を予測できる

右のFFAと正の相関を持ち、左の前頭葉の関心領域と負の相関を持つボクセルの集合が、相貌失認を引き起こす病変位置を包含する脳ネットワーク (相貌失認ネットワーク) を定義していることになる。このネットワークを視覚化すると下図Aのようになり、今回用いられた44症例の損傷領域を超えた広いネットワークであることがわかった。後大脳動脈領域脳卒中31症例を用いて検討したところ、11症例が潜在的相貌失認を有していることがわかり、うち全ての症例が相貌失認ネットワーク内に損傷を持っていることがわかった。相貌失認群のネットワーク内損傷面積は、相貌認知が保たれている群と比較して有意に大きかった (18.25cm3 vs 4.56cm3)。また、損傷領域が相貌失認ネットワークと交差していること自体が、損傷領域面積よりも良い相貌失認の予測因子となることを、ロジスティック回帰分析を用いて確認した。

Lesion connectivity with the right FFA and left frontal cortex predicted subclinical facial agnosia. The intersection of positive connectivity with our identified right FFA (red shading) and negative connectivity with our left frontal regions (blue shading) defined a specific network of areas (purple shading) (A) highly likely to cause prosopagnosia if lesioned. Posterior cerebral artery strokes from an independent dataset that were associated with subclinical facial agnosia (B), versus lesions associated with intact facial perception (C), were significantly more likely to intersect this network (D). (**P < 0.01). Red lines in box-plots indicate medians while stars indicate means.

 

考察

今回我々は、相貌失認をきたす44の損傷領域をもとに、相貌認知に重要な脳ネットワークを同定した。このネットワークは右FFAと正の結合性を持つとともに、左前頭葉皮質と負の結合性を持っていた。どちらの領域との結合性も独立した相貌失認の予測因子となった。さらに、我々はこのネットワークと交差する領域の損傷は潜在的相貌失認を予測できることを示した。

脳卒中による神経学的症候が特定の脳ネットワークの損傷によるという考え方は新しいものではなく、また相貌認知が複数の脳領域を結合したネットワークによって支えられているという考え方も同様に新しくはない。顔選択的活動性を示す複数の領域が結合性を持つということは複数の先行研究で示されており、FFAとOFAは下頭頂溝、楔前部、上丘と、そしてSTS扁桃体や下前頭溝と結合性を持っている。この異なるネットワークの存在は、FFAとOFAは顔の同定に関与しており、STSは顔情報の社会的利用に関与しているという機能的差異からも支持される。

Lesion network mappingは通常の機能的結合性解析とは2つの点で異なる。1つ目は、FFAのような既知の顔選択的領域をシードとするのではなく、相貌失認を起こす多様な損傷領域をシードとしてネットワークを導いているという点。もう1つは、1000人という大規模な集団の機能的結合性データを用いて解析を行なっているためより信頼性の高いマップを得られるという点である。今回、我々は相貌失認を起こす全ての損傷領域に結合するネットワークは右FFAと結合していることを示した。右FFAとの結合性は、既知の他の顔選択的領域と比べても最も高感度かつ高特異度で相貌失認を予測した。これは、右FFAに結合する脳領域は、それぞれ相貌認知において異なる重要な機能を持っていて、全ての領域が相貌認知において重要であるということを示唆している。たとえば、先行研究では前部側頭葉皮質が顔認知に特異的な役割を果たしていることが示唆されている。他の可能性としては、ダイアスキシスと言って、脳で直接損傷された部位だけでなくその部位と線維連絡している部位にも血流低下を認め、その部位の機能障害が生じる、という考え方を用いても今回の結果は説明できる。これら2つの考え方は互いに排他的ではないため、相貌認知におけるネットワークの重要性を同等に支持している。

予想外だったのは、44症例の損傷領域全てで左前頭葉皮質との結合性が見られ、そしてこの領域は既知の左前頭頭頂ネットワークの一部であったということである。このネットワークは多様な刺激やタスクで活性化されることが知られており、右FFAのように高い機能特異性があるわけではない。前部前頭前皮質は、注釈的な/新規の刺激に対する注意のシフト、相貌認知処理における様々な側面 (たとえば恐怖の表情の認知)、視線手掛かりの検知や評価など、様々な機能に関わっている。前頭極は視線手掛かりやface-to-faceの会話で反応を示す。今回見られたのは負の相関であったわけだが、この負の相関はmethodologyによるアーチファクトではないことも示された。右FFAで正の相関が見られて、左前頭前皮質で負の相関が見られたということはすなわち、損傷部位における活動性が低下したときに、右FFAの活動性は低下し、左前頭葉皮質の活動性は上昇するということである。脳損傷に伴って機能的に結合した脳領域がどのような活動性変化を起こすかについて理解するにはさらなる研究が必要だが、正の相関も負の相関も、損傷部位を共通の脳ネットワークにリンクさせるのに重要と考えられる。たとえば、幻視を引き起こす皮質下領域の損傷は、視床と正の相関を示し、外線条皮質と負の相関を示している。

相貌失認をきたす損傷領域は2つの独立した脳領域に結合しているということはすなわち、その損傷領域は2つの異なる脳ネットワークに所属しているということである。推測ではあるが、この発見は相貌認知を理解する上である程度の示唆を与えてくれる。1つの可能性は、相貌失認は2つの異なる機能、すなわち右FFAネットワークの機能と左前頭葉ネットワークの機能が同時に障害されることではじめて相貌失認が起こるという、two-hit modelである。2つめの可能性は、右FFAと左前頭葉皮質は互いに拮抗する関係性にあり、顔の全体的な印象に基づいた認知と、詳細に基づいた認知の2つのバランスが崩れることで正確な相貌認知が傷害されるという説 (push-pull model) である。この説を支持するエビデンスとして、相貌失認患者は詳細な特徴に基づいた相貌認知に偏ってしまうという報告がある。

また、今回の結果は先天性相貌失認や自閉スペクトラム症における相貌認知障害にも示唆を与える。これらの疾患では後頭側頭皮質や前頭前野の機能画像異常がみられており、two-hit modelと合致していると言えるのかもしれない。また、先天性相貌失認患者では、局所的特徴から全体的解釈を行うことに困難があるため、push-pull modelとも合致する。実際、全体的相貌認知のトレーニングを行うと、相貌認知機能の改善が見られるとする研究がある。

相貌失認ネットワークを用いて潜在的相貌失認を同定することに成功したのも重要な点である。臨床的に明らかな脳卒中後相貌失認は極めて珍しいが、潜在的な相貌失認を規格化された試験を用いて検出することはしばしば可能である。今回の結果から、数は多くないものの重度な神経症候を持つ症例を用いて結合性プロファイルを作成することは、数多くいるであろう軽症例を探し出すのに有用であることが示唆された。

 

結論

・相貌失認は、右FFAと正の相関を持ち、左前頭葉皮質と負の相関を持つネットワーク内に存在する脳領域の損傷によって起きる。

・このネットワークを用いて潜在的相貌失認を予測することが可能であった。

 

感想

んーなるほど。Lesion network mappingという手法自体は面白いなと思いました。ただ、負の相関っていうのがどのくらい強く機能的結合性を支持できるものなのか知らないので、結果全体が腑に落ちた感じはしませんでした。もちろん、Brainに通ってるくらいの研究なんだから、そこはたぶんプロの目から見ても受け入れられていて、そこまで疑問に持つべき点ではないんじゃないかとは思っています。

最後のFigureの紫色の部分が筆者たちの主張する相貌失認ネットワークであり、これをvisualizeしてくれた意義は大きいと思います。実際の症例でもFFAやOFAに萎縮や損傷が少なくても相貌認知機能障害を呈するケースは多々あって、それがこのネットワーク内に属していればある程度自信を持って病変部位との関連性を言えそうです。具体的には右側頭極の関与とか、よく見ると思います。ただ、意外と左右対称性があったのは違和感を感じる部分で、ここについては「相貌失認」という言葉の持つ多様性 (顔の認知の問題なのか記憶との照合の問題なのかなど) とか、評価方法の多様性が背景にあるのかなと思っています。

複数の症例を集めて検討する際ってどうしてもある程度症例ごとの差異が生じてしまいがちで、それを統一的に扱うために評価方法を統一したりするのが一般的だと思うんですが、lesion network mappingだと過去の文献を参考にしないといけないのでこういうprospectiveな工夫ができないですよね。質の高い研究って難しいなあ。